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[No17] 10.9の六角穴付ボルトのM48径をメーカーに見積もったところ材料がSCM440でと回答がありました。10.9はSCM435ではないのですか?

それは材料の焼入れ性の問題だと思います。
焼入れ性とは熱処理をした場合材料の表面から硬化する深さを言います。
同じ材質でも太くなるほど焼きが入りにくくなります。この様に質量の影響
を質量効果(マスエフェクト)と言います。
線径の違う材料を焼入れした場合の硬化の様子を下記に示します。
線径が太くなるほど芯部まで硬化しにくい事がわかります。

 

q17_1.gif 

 

特に炭素鋼(SC材)の場合この影響が大きく、構造用鋼(SCM435等)は
合金元素の働きにて影響が少ないです。
この様に太さの違いにより焼入れ性をはじめ機械的性質の数値が変
わってくるためJISでは材料試験片の径をインチ(25.4ミリ)に規定されています。

JIS G 4052より抜粋
  焼入れ端からの距離(mm) 
11 15 20 25 40
SCM435H 上限 HRC54 51 48 45 39
下限 42 37 32 30 27
SCM440H 上限 HRC58 56 55 53 47
下限 48 43 38 35 32

 *JISに規定されている強度区分10.9の芯部硬さはHRC32から39です。
*上記の数値によると線径50Φ以上になるとSCM435では10.9がクリア出来なくなってくる様ですね。

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